冷たい日本酒の楽しみ~みんゆう随想8月掲載分より

福島民友新聞「みんゆう随想」8月掲載分より転載いたします。

(転載元 : 福島民友新聞「みんゆう随想」)

 

お風呂上がりに冷たい日本酒、暑い外から帰ったらたくさんの水と日本酒を少し、ヒグラシの鳴き声。

従来、日本酒は燗酒から冬のイメージが強く、総務省家計調査の単月清酒消費支出でも6月から9月は12月の約3割にとどまっています。

しかし金水晶酒造店にいらっしゃるお客様の様子を拝見していると徐々に「夏も日本酒」という傾向が出てきた気がします。

冷蔵庫がなかった昔、日本酒は温めた「お燗」と常温の「冷や」しかありませんでした。けれど昭和後半からの吟醸酒の普及、小さな冷蔵庫に収まる小瓶の増加、大型冷蔵庫の価格低下等により皆様が「冷たい日本酒のおいしさ」に気付きはじめ、今では「冷や」といえば「冷えたお酒」と思う人も増えてきました。

体温調節をしたい人間として暑いときに冷たい物が快いのは当然ですが、ほかにも冷たい日本酒ならではの良さがあります。

一つは、冷やすことで日本酒の甘みと香りが閉じ込められ、呑んだ瞬間に口の中で甘みと香りが広がる酒の性質によるものです。

「ケーキに対するアイスクリームの美味しさ」に例えられるかもしれません。常温で個性が強すぎると感じるお酒も冷やして呑むと印象が変わります。

二つ目はリラックス効果。暑さで疲れた体は適度な水分と糖分、塩分を欲しています。少し塩気のあるおつまみに米の甘みが利いた日本酒でゆっくり休めば夏バテ解消につながるでしょう。酒とともに話せる人や自分を見つめる時間が持てれば心も解放されることでしょう。

では、ちょうど冷蔵庫に冷えたお酒が無かったらどうするか。

こんな時は「原酒」の出番です。

米が自由に買えず、酒そのものが高級品だった時代は、原酒を水で薄めて売るのが一般的でした。今でも口当たりやアルコール度の調整のため割り水をした商品が売られています。

そういった普通の酒に氷を入れても良いのですが、徐々に氷が溶けて味が薄まってしまうため、旨味が濃い「原酒」の方が、氷で呑むには適しています。原酒の多くはラベルに「原酒」と表示がありますので確認してみてください。

秋の酒は「ひやおろし」といってこれまた美味しいのですが、この話は次回。

今は過ぎゆく夏を冷たい日本酒でいとおしむ季節です。

 

 

 

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